この国ならではの美味を大いに期待していたのですが、現地に出発する前日まで、胃炎を患い、二日間絶食していたので食欲はなく、味覚も麻痺していました。
従って、本来の評価ではないと思いますが、いくつかの感想を記してみます。
北極圏に近接している気候、全島が火山灰に覆われている地質などから、アイスランドでは野菜と果樹類は育たないとされていました。
近年、豊富に湧出する地熱を利用した、温室の中でトマトなどが生産され、スーパー・マーケットで売られるようにはなっていますが、ほとんどの野菜は輸入に頼っています。
フルーツに至っては、リンゴも含めてすべて外国産。
従って、値段も日本の3倍くらいと張っていますし、ホテルの朝食のビュッフェでも新鮮な野菜が不足していました。
当然のことながら、アイスランド国産の食材と言えば、羊肉と魚介類。
この国では、日本同様、今や世界で数少ない捕鯨国ですから、クジラ肉も食べられると聞いていましたので、是非、トライしてみようと思っていました。
ところが、大手のスーパーの肉売り場をいくつか見て回りましたが、クジラ肉は商品棚の中にありませんでした。
レイキャビクのメインストリートにある老舗レストランの看板で、クジラ肉と海鳥(海カラスやバフィンと言うカラフルな鳥)のステーキを写真で宣伝していました。
グラッと、心が揺らぎましたが、お値段を見て即座にやめました。日本円にして一皿が6千円ほどもします。
近所の鮮魚店「播磨屋」で、時々売っている新鮮なクジラ肉を自宅でステーキにすれば一人前、7~8百円で済むな、と即座に計算できたからです。
近所の北海の魚と言えば、鮭、「おひょう」と並んで鱈が代表挌。
ポルトガル人の好む鱈が輸出品(干し鱈)の代表格になっていますが、国内のスーパーでも国内でも、生鱈、ほぐし鱈、剥き身鱈を売っていて、おおよその価格は日本のざっと3倍くらいでしょうか。
干しだらの料理はポルトガルで食べたことがありますが、鱈ちり鍋と比較すらできません。故に、これらも敬遠しました。
この国の代表的な高級海産食材はロブスターと言われています。
実は、これ「スカンピ」の名称を持つ、手長エビの一種です。
この料理を売り物している高級レストランに、ものは試しと、行ってみました。
店のインテリア、食器、テーブル・セッティングは素晴らしかったのですが、肝心の「ロブスター」は、処理が今一でした。
お値段も、人差し指程度のものが、一本当たり2千円前後。
チーズとバターだけは日本より安い食材でしたが、まさか、チーズだけでランチとするわけにもならず・・
一番、食事とした食べたのがラムでした。これは、此処ならではの風味があると言われていますが、美味であることは間違いありません、お値段もリーズナブルでした。
ラム以外と言えば、非常用に持参した、グリコの「常温で食べるカレー」。何とも言えず懐かしく、美味しかった!
写真はアイスランドのロブスター、「スカンピ」と「バフィン鳥」